うさぎ

うさぎの病気

うさぎの症例のご紹介

最近多いうさぎちゃんの症例や関連記事などをご紹介します。
あなたのうさぎちゃんの体調は大丈夫ですか?
気になることがあったらぜひご相談くださいね

うさぎを飼う際の注意点

うさぎを飼う際の注意点

ウサギは犬や猫と比べると、あまりなつかないというイメージがありますが、一緒に暮らしてみると意外に感情表現が豊かなのにビックリしてしまいます。怒ったり甘えたり…かわいいです。うさぎは非常にデリケートな動物です。

小さな変化で食欲をなくしたり、ストレスから下痢をしたりします。
また、うさぎの歯は前歯も奥歯も一生伸び続けます。うさぎの性格や病気を飼い主様がご理解した上で家族の一員として病気を予防・治療していきましょう。

うさぎに多い病気

臼歯過長症

臼歯(奥歯)が正常にかみ合わなくなって、歯が磨耗できずに伸びすぎてしまう病気です。
食欲が落ち、ヨダレが出て、歯ぎしりするようになります。こういう症状が出たら病院で歯を削ってもらいます。

予防方法

餌のチモシー(牧草)を常に与えます。臼歯は食べ物をすりつぶすことで正常にすり減ります。
歯がしっかりすり減るように繊維質の多いチモシーを与えましょう。

切歯過長症

切歯過長症

 前歯(切歯)が伸び、口腔内を傷つけてしまう、えさをこぼしてしまうなどの症状が見られます。

予防方法

噛み木や噛み石を与え、前歯(切歯)に日頃から摩擦を与えましょう。

ほっぺや喉が膨らむ~顔面腫瘍~

ほっぺや喉が膨らむ~顔面腫瘍~

うさぎの顔面、特に下顎、頬、目の下などがぽっこり膨らんでいませんか?これらは膿を封じ込めた病巣の可能性があります。
これらの大半は歯のトラブルに伴うもので歯の根っこの異常な伸びや歯周炎が原因で歯の根っこの周囲が細菌に侵されたり、異常に伸びた歯冠で傷ついた口腔粘膜から細菌が侵入することで膿作る巣(=病巣)を作ってしまいます。

  • 顔面の腫れ・膿が出ている
  • 部位によってはくしゃみ、鼻汁、呼吸障害、眼球の突出などをともないます。

くしゃみや、鼻水がでる~スナッフル~

くしゃみや、鼻水がでる~スナッフル~

うさぎの細菌感染が原因で、副鼻腔炎や気管支炎をが起こる症状を総称したものをスナッフルといいます。
くしゃみや鼻水を垂らしだしたらスナッフルを疑ってください。症状が進行すると鼻腔内に膿が溜まり、鼻呼吸がスムーズに行えず多大なストレスを抱えてしまします。初期症状が出たらすぐに動物病院を受診しましょう。

  • 前足の内側の被毛がゴワゴワの状態になっている(前足で鼻を拭くためです)
  • 咳や呼吸の度にグシュグシュ、ズーズーといった音が聞こえる
  • 鼻の周りの汚れ
  • 結膜炎・涙を流す

おしっこが出にくい~尿石症~

おしっこが出にくい~尿石症~

尿石症がウサギに多く見られる病気です。カルシウムの含量が高すぎる食事を続けていると、尿にカルシウムの小さな結晶が過剰に含まれている状態(高カルシウム尿症)となります。これに尿が排出されにくくなる他の要因や完成などが重なり、尿路に結石ができると考えられています。

  • 元気、食欲が無い
  • 歯ぎしりをする
  • 血尿
  • まったく尿が出ない
  • 腹部の皮膚が尿でただれている

首をかしげて転倒する~斜頚~

首をかしげて転倒する~斜頚~

首が左右どちらかに傾く症状を斜頚と言います(病気の名前ではありません)
考えられる原因は、 中耳、内耳感染 、てんかん様発作(脳血管障害)、 外傷、 腫瘍(新生物)、 頚部の筋肉の攣縮、 微胞子虫症、 脳内幼虫移行症、 中毒があります。
この症状は介護を必要とする場合もあります。まずは獣医にご相談ください。

  • 目や頭が揺れる
  • 姿勢のバランスを崩す
  • 繰り返し転倒する

うさぎの去勢・避妊手術

うさぎの去勢・避妊手術の重要性

「うさぎの避妊・去勢手術って本当に必要なことなの?」なんて思っていませんか?​

実は、これらの手術はうさぎにとっても飼い主様にとっても非常に大事なことなんです。

子宮内膜癌
子宮内膜癌

子宮卵巣の外観

子宮内膜癌

子宮の腫瘤

間細胞腫
精巣外観

精巣外観

肥大した精巣

腫大した精巣


これは当院で手術したうさぎさんの子宮・卵巣および精巣です。双方ともに腫瘍化しています。
それぞれ子宮内膜癌、間細胞腫という診断がつきました。
避妊・去勢手術は望まない繁殖を防ぐことが第一に考えられますが、このような病気の発生を防ぐという大切な目的も備えています。また、うさぎさん特有の性質に対して効果があります。

男の子

男の子

子孫を残そうとする雄性ホルモンからストレスを受けているため、問題行動として、便や尿などによるマーキング(尿スプレー)や飼い主様への攻撃性が強まります。精巣の病気にもなることがあります。
特に多頭飼育の環境では、なわばり意識が高いため、ストレスを受けやすく、問題行動(攻撃性や尿スプレー)だけでなく時に致命的な激しい喧嘩が見られることがあります。これらの問題行動は女の子にも見られることがあります。

女の子

女の子

野生の状態では年に5~6回妊娠を繰り返し、雌性ホルモンのバランスをとっています。
それに対し、家庭内のウサギは妊娠する機会がほとんどないので不自然なホルモンバランスとなり、それが偽妊娠、子宮や乳腺の病気、不安定な精神状態へとつながります。

うさぎの去勢・避妊手術によって病気を防ぐ

うさぎの去勢・避妊手術によって病気を防ぐ

避妊・去勢手術はホルモンによるストレスから解放してあげることで、精神的に安定し、飼い主様と良好なコミュニケーションをとれるようになる可能性があります。
さらに大切なのは病気の予防です。

加齢とともに生殖器疾患のリスクは上がっていき、男の子では精巣腫瘍、女の子では卵巣・子宮および乳腺の腫瘍などがあげられます。特に未避妊雌の生殖器疾患の発生率は犬猫よりもはるかに高いといわれています。

うさぎの去勢・避妊手術の時期

上記のことをふまえ、当院ではうさぎの避妊・去勢手術をおすすめしています。

手術対象となるのは6ヶ月以上の健康な子となりますが、1歳齢を過ぎますと内臓脂肪の貯留が著しくなるため、手術のリスクが上がります。
できれば、それまでに手術することをおすすめしますが、1歳齢以上で手術を望まれる場合は減量などの指導をさせていただき、安全性が確認されてから実施させていただきます。

術後は神経質なうさぎさんの性格ゆえに、食欲が落ちたり、傷口を舐める・かじるといった行動から癒合の遅延を起こすことがありますので、相談しながらしっかりとした対処を行っていく必要があります。

注意

  • 男の子は去勢手術を行った後でも4~5週間は生殖能力を有しているので未避妊雌と一緒にしてはいけません。

手術前の飼い主様に知っていただきたいこと

上記のことをふまえ、当院ではうさぎの避妊・去勢手術をおすすめしています。

まず第一に、術後はエネルギー要求量が低下するため肥満傾向になりやすいということ。次に、性的行動の全てを消失させることは難しく、緩和させるのが目的となるということです。交尾行動、巣作りや小競り合いといったものが残ってしまう可能性はありますが、軽度になるはずです。また、尿スプレーに関しては90%以上の確率で消失するとされています。

どうしても不安や抵抗があり、手術のできない飼い主様へ

どうしても不安や抵抗があり、手術のできない飼い主様へ​

加齢に伴う生殖器疾患(特に腫瘍)のリスクが高まっていくことは、避けられない事実です。

健康チェックによる触診や視診、尿検査などを行い慎重かつ定期的に監視することで病気の早期発見に努めていきましょう。

気になることがあれば、いつでもお気軽にご相談ください。

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